彼女の肩を叩いて逮捕!何日で身柄解放される?
今回は、実際に弊所の弁護士が担当した刑事事件の解決事例をご紹介します。
事案概要
男女が喧嘩をして、男性が逮捕された案件です。
交際している男女が店で口論になり、店の前で揉み合いになって、その最中に彼氏が彼女の肩を一発殴ったということで、彼女が警察に通報をして、逮捕されました。
肩を叩いただけで逮捕されてしまうのか?
最近は、交際しているカップルや結婚している夫婦同士の暴行でも、比較的簡単に逮捕されることが増えています。
肩だろうがお腹だろうが、殴ってしまうと、暴行罪という立派な犯罪ですので、逮捕される危険性は生じます。
殴ったことを否定したらどうなる?
警察が臨場した際に殴ったことを否定すると、逮捕の可能性は下がる可能性があります。
警察が来て、事情を確認して「叩いた」と認めてしまうと、本人が認めたので、逮捕される可能性は高くなります。
反対に、叩いたことを否定すると、警察はその現場を見ていないので、逮捕される可能性は低くなります。
ただし、被害者(叩かれた側)が怪我をしている場合は否定しづらいので、逮捕される可能性は高いと考えた方が良いです。
トラブルが起きた際、可能であれば、警察が来た時点で顧問弁護士に連絡をして《どこまで話すか》を相談していただくのが良いかと思います。
逮捕から2日目の弁護活動の内容
逮捕当日、逮捕されたのが夕方の17時から19時頃だったので、我々が接見に行けたのが夜の時間帯でした。
ですので、我々が弁護活動を開始したのはその翌日からでした。
まずは、逮捕された方が結婚されている方だったので、奥様と、働いている会社の関係者の方に《身柄引受書》と《上申書》を作成していただきました。
身柄引受書とは、「仮に彼が釈放されたら、釈放された彼を監督します」という内容の書面です。
上申書とは、事情を説明して、「彼の身柄を解放してください」とお願いする趣旨の書面です。
あとは、喧嘩した彼女とも連絡をとって、身柄を解放することに関する《同意書》を作成しました。 そして、《本人の反省文》と《誓約書》も本人に作成していただきました。
逮捕から3日目の弁護活動の内容
3日目、逮捕された方と検事が面談する日です。
検事は彼と面談をして、勾留請求するかどうかを決定します。
私たちは、前日(2日目)に用意した全ての書面と、《弁護士の意見書》を、この面談が始まる前に検察庁に提出しました。
意見書には、具体的な事情を説明して、「彼を勾留請求する必要がありません」という趣旨を記載しました。
勾留請求をされずに身柄が解放されました
この案件では、被害者である彼女が身柄解放することに同意してくれたという事情も大きな影響を与え、無事に検察官が勾留請求しないでくれて、身柄が解放されました。
勾留請求をされない割合はわずか5.7%
この案件では、当事者である彼女や、周りの関係者の方に迅速に書面を作成いただいたことが大きく影響して、勾留請求されずに釈放されました。
検察官が勾留請求をしないという可能性は本当に低いです。
迅速に、適切に動いてくれる弁護士に依頼をすることがとても大切です。
知人同士だと勾留請求をされることが多い
特に恋人同士や友人同士だと、安易に身柄を解放してしまうことで第二次被害が起きることがあります。
まだトラブルが解決していない状況下で身柄を解放して、その後に、「よくも警察に通報してくれたな」などと因縁をつけられて、新たなトラブルが生じる可能性があるということです。
新しいトラブルを起こさないためにも、検察庁や裁判所は、身柄を解放するという判断ができないのです。
お困りの際は是非ご相談ください
刑事事件は、スピードが命です。家族や大切な方が逮捕されてしまったなど、お困りの方はなるべく早めにご相談ください。
より詳しい解説は下記の動画をご覧ください。